1日の終わり
- shinpujyuku
- 2024年9月4日
- 読了時間: 3分
「夕方4時から夜10時30分まで休憩することなく教え続ける」のが、ずっと続けてきた日課である。
しかし、一日の仕事は無論ただそれだけではない。
毎日最後の一コマ(9時~10時30分)は高校1~3年生の授業のいずれかである。
(小・中学生には遅すぎる時間であろう。)
日々の部活と勉強の両立について、あるいは来たる大学受験に向けて、不安や悩み事を抱えている子も多い。
授業が終わってから15~20分ほどはそういう子たちと向き合う時間である。
(単純に授業が延長してしまう場合も多い。)
その子たちを送り出した後、11時くらいから遅い晩御飯を食べ始める。
まさに至福を感じるひと時だ。
それを食べ終わり、教室の片づけをしていると、日付の変わり目が近づいてくる。
実はここからが仕事の第2ラウンドである。
報告書。
毎月末に一人ひとりの生徒さんにお渡しするものだ。
その日に誰が来て、どんな勉強をしていたかを思い出しながら、丁寧に書き記していく。
教え始めて以来、一日も欠かさず続けてきたことである。
「月の終わりにまとめて書く」というのでは、大切なことを書き漏らしてしまうかもしれないからだ。
報告書には
・各日の授業内容
・各テストの点数
といった本人も認識している事実だけではなく、
・課題への取り組み
得意・苦手な単元、式・図・文章の書き方、単位の有無、課題の量、期限を守れているかどうか
・授業中の姿勢
集中力、発言の頻度
・自学への姿勢
時間、質問の頻度、質問の上手さ
等を含め、書いた方が良いと思うことすべてを事細かに記載する。
そして良かったところは褒め、直すべきところは直すように書く。
そこには担当がコロコロ変わるような塾では気付かれないようなことも記される。
生徒さんによっては1枚のA4用紙の裏表だけでは事足りず、2枚目に突入することもある。
その一言一句が月の終わりに親御さんや本人の目に入る。
どんな思いを抱かれるかは人それぞれだろう。
不快な思いを抱かれることだってあるかもしれない。
(報告書の内容について、実際にお叱りを受けたこともある。)
そして、それによって潜在的に「この塾じゃダメだ。他の塾に行こう。」という結果につながっている可能性ももちろん0ではないだろう。
しかし、それを十二分に承知していてもなお、一人ひとりが「自分の勉強への取り組みは客観的に見てどうなのか」を知り、勉強の質を上げていくことは何よりも大切だと考えており、その大義のためにこれを続けていくことこそが僕にとっての使命だと考えている。
この世にはおべんちゃらばかりの報告書や懇談があふれている。
良いところだけを過大に評価し、直すべきところを包み隠す。
それは楽だからだろうか、あるいはそもそもちゃんと見ていないからだろうか、はたまた生徒をつなぎとめたいからだろうか。
僕にはちっともわからない。
それが親御さんや本人のモチベーションを一時的に引き上げることにはなっても、長期的に見てその子の勉強の質が向上することにつながるだろうか。
そうやって1日を振り返り、また自分自身の指導や授業をもかえりみていると、たいてい0時30分くらいになっている。
そこから一週間後の授業の準備をおこなう。
(自分の代わりがいないため、予定外のことが起きた時に備えて、すべての準備をかなり早くからおこなっている。)
あるいは高校生の英作文や数学の記述問題の添削をおこなう。
そして1時、遅ければ2時までにはすべての仕事が終わり、ようやく安心して眠りに落ちていく。
365日のほとんどはそんな生活を続けているのである。