終わりなき旅
- shinpujyuku
- 2025年10月22日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年11月1日
来月で小学校4年生の時から9年間教えた子がまた一人卒塾する。
進学する大学が決定したためだ。
その子との笑いあり・涙ありの歳月を思い返すと、とても感慨深い。
今まで数多の子とかかわってきた。
初めての顔合わせだけで終わった子から、塾の方針と合わずに半年以内でやめていってしまった子、中学3年間教えた子、高校の途中から入塾してきて卒業まで教えた子、そして冒頭の子のように9年間教えた子まで。
生徒によってかかわった時間の長さは実にさまざまだが、僕がどの子に対しても毎分毎秒全力でかかわってきたということだけは自信を持って言える。
授業に始まり、自学の際の声掛けや質問対応、課題の管理、毎月の報告書、年三回の懇談に至るまで。
どの一瞬を切り取っても、僕が手を抜いたことはなかった。
お休みの日を極力つくらないのは、塾生全員に対してできるだけ多くの時間かかわるためである。
当たり前のことを書いているように見えるかもしれないが、ワンオペでこれを成すのはそう簡単なことではないと自負している。
「他の先生を雇えばいいじゃないか。」とよく言われる。
実際他の塾はみなそうしている。
それは間違いだとは思わないが、唯一の正解だとも思わない。
複数の先生がいる塾の最たる弱点は「個々の生徒と誠心誠意向き合うのが難しい。」ということである。
引継ぎがきちんとおこなわれていないような塾は論外だ。
ある程度きちんとおこなわれていたとしても、一人ひとりの生徒が没個性になってしまうような集団塾だと、個々の生徒の長所・短所を発見できていない可能性さえ十分ある。
そんな環境でどうやって生徒たちの成績を伸ばすことができるだろうか。
あえて他の先生を雇わないことによって、自分が個々の生徒に対する責任を一身に引き受けるのである。
毎日毎日がむしゃらに走り続けているが、小学生の頃から見ていた子が中学生になり、高校生になり、やがて卒塾していくその瞬間を迎える時、ふと立ち止まって後ろを振り返りたくなる。
そして駆け抜けてきたその旅路の長さに「自分も年を取ったなぁ。」としみじみ思わずにはいられない。
親友と語らう時、「年を取ったらスキルアップするか。」という話をよくする。
彼とは職種が異なるので意見が違うのは当たり前だが、「スキルアップする。」と肯定する彼に対し、僕はその意見に否定的だ。
日々新しい問題を解き、生徒に教える。
これまでに解いた問題量や教え方の経験値がどんどん増えていくことは間違いない。
その一方で思考能力や思考速度はじょじょに衰え、マルチタスクが難しくなっていく。
上に書いたワンオペが不可能になる日がいずれやって来るかもしれないのだ。
それは「僕らしい塾」の終焉を意味する。
だからこそ、今のうちにできることをやっておかなくてはならない。
その使命を背負って今日もまたこの旅路を一歩一歩進んでゆく。