腹が減った(New!)
- shinpujyuku
- 3 日前
- 読了時間: 2分
昼ご飯は、普段ならあまり選ばない寿司屋へ行った。
マグロを三皿。
イカを三皿。
豚汁を一杯。
普段の自分からすると、かなり少ない。
別に節約をしていたわけでもないし、体調が悪かったわけでもない。
ただ、なぜか食欲がなかった。
今思えば、理由は単純だったのかもしれない。
ここしばらく、いくつか気にかかっていることがあった。
そのうちの一つが、この日ひとまず区切りを迎えた。
最後に保護者の方と本人が挨拶に来てくださった。
こういうことは意外と少ない。
本人の口から「お世話になりました」という言葉が出た。
親御さんも驚いた様子だった。
その反応を見る限り、あらかじめ用意された言葉ではなかったのだと思う。
その瞬間、嬉しかったというよりも、ほっとした。
この子の中に、何か一つでも残せていたのか。
それは塾講師をしていると時々考えることである。
もちろん確かなことは分からない。
それでも、あの一言を聞いた時だけは、無意味ではなかったのかもしれないと思えた。
加えて、もう一つ気になっていたことも良い方向へ進んだ。
そして、この日は中学二年生たちが閉塾の時間まで自主的に勉強を続けていた。
定期テスト前になると毎回のように長時間自学に来る生徒たちである。
誰かに言われたからではない。
試験が近づけば、自分から勉強しに来る。
僕はそういう姿を理想だと思っている。
だから、その光景が当たり前のように目の前に広がっていることが、少し嬉しかった。
そうしたことが重なったせいだろうか。
気が付くと、それまで感じていなかった空腹を急に感じるようになっていた。
考えてみれば当たり前なのかもしれない。
昼までずっと、気にかかっていたことの行方ばかり考えていた。
食欲がなかったのではない。
ただ、それどころではなかったのだ。
人は気を張っている時、自分が思っている以上にエネルギーを使う。
そして安心した瞬間に、その反動が来る。
今日はそんなことを感じた一日だった。
